「エンタテインメントの作り方」 どうやったらエンタテイメント小説が書けるのかの解説
エンタテインメントの作り方
黒い家で有名な貴志祐介氏の創作ノートと言っていいだろう。
作家として、おもしろい作品をどうやって作るのか。
また、考えているのか。
参考になる点が多い。
特に、作家志望には参考になるのではないだろうか。
制作過程&修行時代
作者が書いている中でアイデアノート、メモをストックしているということ。
当たり前だろうが、これが作家になる前からやっていたということを考えるとプロになる人にとっては必須なものだと思う。
さらに、SFの短編などを書いては途中で辞めての繰り返しをしていたという。
30歳で会社を辞めて、ペン一本で食っていくために色々と模索をしていた。
その時に参考というか、基礎的な体力となったのが読書。
30分で学生時代は1冊を読んでいたという。
恐らく、書き方から言えばSFなどを相当数。
1000冊以上読んでいたのではないだろうか。
高校時代には1日1冊程度読んでいたと思われる。
これが大学生の時に書き始めていると書かれているので、それでも読んでいたとして。
合計7年間。
1年300冊読んだとしても、2100冊だ。
プロになって読む時間がないということで、それも話題作などは読んでいるでしょうから。
3000冊以上は累計読んでいると思います。
これが筆者の財産だと言っていいのではないだろうか。
SFやミステリ、歴史小説など山ほどあるジャンルの中で筆者は恐らくSFを特に多く読んでいると思われる。
新世界よりの制作過程の話が参考になる。
最初から新しい世界を示すために、当初からコンフリクト(対立)を最初から明確に示すことにしたようです。
ある意味、わかりやすい構図だと言えるでしょう。
プロット120枚。
これくらい緻密にプロットを1冊の本に対して筆者は書いているという。
小説自体が600枚としても、120枚は多いが緻密に最初に作っておくことがいいとされている。
こうやって書いたプロットが破綻していたり、論理的矛盾などが生じた部分をきっちりと修正する必要があるようです。
検証すると筆者は書いています。
ワトソン役のルール
知識が読者と同じ程度であること
目線が読者と同じで質問をして解説すること
筆者の体験から文章力を上げるには、自分の書いた文章を推敲することだそうです。
・一定時間を置いて推敲
・誤字脱字や誤変換
・内容が頭にすんなり入ってくるか
・リズムが悪く無いか
・読みにくくないか
こういったこと考えながらやると、徐々に読みやすい文章がわかってくるという。
審査をしていて、思うこと。
最近の小説はシナリオチックとなっており、会話重視となっているという。
これは小説のある意味、地の部分を使っていないという。