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「老人喰い」鈴木大介著 進化する振り込み詐欺の実態を暴く本

 

オレオレ詐欺がこんなことになっているのか

テレビでなんで逮捕されないんだろうか。

そんな風に思う、報道。

それがオレオレ詐欺です。

 

振り込み詐欺とも言われる、この組織の実態がすごい。

読むと度肝を抜かれる、そんな本でした。

 

組織構造が近代化している

この本で出てくるのが、受け子、番頭、店長、プレイヤー、金主ということです。

金主とはお金を出す人。

これが捕まることが現時点でない。

そして、金主と唯一会うのが番頭。

番頭が複数店舗を持ち、これらを管理する。

この番頭に会うことができるのが店長。

店長の下にプレイヤーがいる。

そして、これら組織の末端が受け子という、いわゆるお金を受け取る仕事です。

 

現時点で、逮捕されているのは店長クラスまで。

番頭はないです。

しかし、同時に金主も含めてすべての上の階層の人間は所属をしている人間を管理している。

そして、個人情報まで把握をしているという構図のようです。

 

構成しているメンバーは一般人

しかし、これらの人と当然どこかからリクルートしてくる必要があります。

そして、これらの人を採用する人をリクルーターと言いいます。

 

このリクルーターは一般の営業職として求人を出す。

そして、応募してきた人へ熾烈な電話によるアポ研修をします。

それで耐えられない者は次々とやめていきます。

実に10日程度やるようです。

1日1日が地獄のような研修で怒鳴られながら電話をかけて、テレアポをするというもの。

これは無意味ですが、10日後に残っている者に振り込み詐欺の仕事だと告げて。

店長が登場。

店長や番頭が、自分が捕まっていないことを表明をして安心させる。

そして、1ヶ月1000万稼ぐことだってできるということを言うのです。

これでほとんどの人が組織に入るという流れのようです。

 

日本社会の欺瞞

普通に考えたら、おとり捜査をするなどすればいいのです。

しかし、日本ではスパイ防止法やおとり捜査などは人権に配慮してとかで厳禁。

 

こういったことを警察が潜入捜査をできない状況で、鉄の掟で金主までたどり着かない。

逮捕される事例があれば、リスクを回避をして辞める人も出てくるでしょうが。

しかし、本当にこういった事例を聞くと不思議なのが日本社会です。